正味財産の減額のために土地を購入?歴史は繰り返す【一般認可申請】
バブルの頃でしょうか、相続税対策として「借金して不動産を買う」という手法がありました。当時も批判されてはいましたが、金融機関に薦められて実行した資産家も多かったようです。
相続税上の財産評価は、土地については主として路線価、建物は固定資産税評価額です。土地の路線価は時価の約80%、建物の固定資産税評価額は建築価格の約60%程度ですので、買った瞬間に、その評価額の目減り分だけ相続税上の財産が減る、という事です。(なお現在は、この手法には一定の制限があります)
これと似た手法が、一般法人へ移行する法人に対して一部のコンサルタントによって指導されていると聞きました。歴史は繰り返されているのです。
一般法人へと移行する法人は、その時価正味財産(公益目的財産額といいます)に相当する額を公益目的支出計画として公益に費消していかなければなりません。この公益目的財産額を減ずる方法として、土地を購入してその土地を固定資産税評価額(時価の約70%)で評価すれば、30%分目減りするという事です。
しかし、この手法には、以下の問題点が内包されています。
(1)この方法しかないかのごとく指導されている事
公益目的支出計画には様々なパターンがあります。全ての方策をきちんと検討せず、この手法しかないかのごとく強引に指導されている場合もあるようであり、大きな疑問を感じます。
(2)このような場合も固定資産税評価額が認められるのか
ガイドラインには固定資産税評価額で評価しても良いと記載があります。しかし、このような法の盲点をつくような手法が認められるのでしょうか。もし私が公益認定等委員の一人であったり、行政庁の審査担当者であったら、と考えると…こんな方法はたぶん認めないと思います。理由は「法の趣旨に反しているのが明白」だからです。
(3)その後の法人運営
多額の資産と借入金を抱えることとなり、売却しようとしても購入価格より大幅に安くなる可能性も十分あります。その後の法人運営にも大きな影響があるでしょう。
公益認定等のコンサルティングにも、色々な人、色々な業者が関わっています。資格者だからといって信頼できるとも限りません。大手だからと言って信頼できない場合もあります。注意して下さい。もちろん私の事も疑っていただいてよいです・・・(笑)
以上 公認会計士・税理士 居関 剛一











